ブリコラージュゼミ「ゆかた講座」
9月の中旬、島根県立津和野高校一年生に向けた「ブリコラージュゼミ」が今年も実施され、ささやでは、きものアドバイザー:岡崎りえがお役目を頂き「ゆかた講座」をお引き受け致しました。このゼミ全体の目的は以下のようなものでした。
- 生徒さんに様々な体験や大人との出会いを届けること。
- 身近に自分の可能性を広げてくれる人や場所があることに気づくきっかけを作ること。
- 自分の興味関心などから自己理解を深めること。
様々な科目がある中から「ゆかた講座」を選んで下さった生徒さんとの数時間はとても有意義なものでした。今回参加された生徒さんは、初めて自身で着方を体験する女子ばかりでしたが、和の世界が大好き、着物に興味はあるけど着る機会がない、将来の為に学びたい等の選択理由でしたので、印象に残る時間作りを心がけました。それは、未来ある高校生の今後に1つでも役立ててもらえればと、教科書ではなく「ここでしかない時間」の共有でした。
初めてのゆかたで、みなさん活き活きとした姿に
ゆかた講座では退屈しない楽しい時間を目指しています。高校生であれ大人であれ最初に学ぶのが浴衣です。第一印象が「難しい!」だと、『きもの』と言う存在は遠いところへ行ってしまいますよね。
まずは講師の自己紹介です。きものと私の出逢い、実体験を含め国際コミュニケーションに役立つ和文化の1つであること、浴衣の歴史や選び方のポイントなどをお話しします。その後、浴衣と帯結びの実習です。この実習が一番ボリュームが大きいのですが、若くしても初めての自装は慣れない動作も多いため、大変疲れるものです。しかし、そんな心配は他所に着装後の笑顔や活き活きとした姿にホッとさせられます。
浴衣の歴史
浴衣(ゆかた)の語源は「湯帷子(ゆかたびら)」と言われ、麻素材のことでした。平安時代の貴族の蒸し風呂入浴時(当時は蒸し風呂しかない)の着衣で、室町時代以降には浴後の汗取としても使用されました。江戸時代に入り木綿の生産が始まって以来、江戸中期には「湯浴」が町民文化の発展とともに普及し、そこから木綿浴衣が湯上り着や銭湯への往来着、また寝具として定着していきます。当時人が集う場所での浴衣は、模様に関心が寄せられ、柄の発展にも繋がってきたのでしょう。現在では夏の着物の代表として木綿の浴衣が外出着になっています。
今後も未来ある子供達へ日本文化の一端を担う者として、着物という形あるものと日本人らしい心を「きもの」という表現で伝え続けていこうと思っております。